「コーヒー」と生きる〜そして、一杯の向こう側〜第16話

好きか嫌いか、良いか悪いか

 

 人にはそれぞれ、好きな味があります。
 コーヒーでも、フルーティーな酸味が好きな人もいれば、苦味のあるコーヒーが好きな人もいます。

 

 それは単なる好みでもありますが、どんな味わいのコーヒーに触れてきたかによって、選ぶコーヒー、つまり好みの味も変わってくると思うんです。
 善し悪しではありません。習慣が与える影響は、とても大きいのかもしれません。

 

 さて、好みの味わいに出会うと、善し悪しではなく「好きか嫌いか」で心が揺れます。
 サンプルが届き、カッピングをしていても、自分の好きなフレーバーや酸に出会うと、つい点数が甘くなってしまうことがあります。

 

 コーヒーのテイスティング、すなわちカッピングは、目の前のコーヒーを客観的に評価する作業です。

 

 カッピングは8項目から構成されていて、最後の1項目だけが「好きか嫌いか」で決めることができます。
 つまり、それ以外の項目は好みではなく、客観的に評価するということです。

 

 好きか嫌いかではなく、客観的に評価してはじめて、そのコーヒーの本質が見えてくる。
 そんなふうに感じています。

 

 とはいえ、好きも嫌いも、善し悪しも、そこにはそれぞれ理由があるんですよね。

 

 それでもいいと思います。
 好きな味も、良いコーヒーも、どちらもコーヒーの世界を豊かにしてくれるのだと思います。

 

(文と写真:横井 力)

 

☆ 次回は4/1(水)の投稿です。