「コーヒー」と生きる〜そして、一杯の向こう側〜第22話
作業と仕事の違い

仕事と作業は、似ているようで、まったく別のものだと思っています。
作業は、考えなくても進められるものです。
決められた手順を、決められた通りにこなしていく。
流れに乗れば、迷うことなく進んでいきます。
そこでは、速さや正確さが求められます。
それ自体が、大切な価値になる場面もあります。
一方で、仕事は少し違います。
目の前の人に、何を届けるのか。
どんな気持ちで受け取ってもらいたいのか。
その都度、自分の中で考えながら向き合っていくものです。
同じことをしているようでも、
誰に向けるかで、その意味は変わっていきます。
だから仕事には、揺らぎがあります。
正解がひとつではなく、その場ごとに選び続けるものだからです。
早く終えることが求められる場面もあります。
でも、時間をかけてでも、ちゃんと届いてほしいと思う瞬間もある。
その違いに気づけるかどうか。
作業は、終われば完了します。
でも仕事は、相手の中に残って、はじめて終わるものかもしれません。
速さだけでは残らないものがある。
効率だけでは届かないものがある。
何を終わらせるのか。
何を残したいのか。
その問いの中に、作業と仕事の違いがあるような気がしています。
(文と写真:横井 力)

