札幌発、新感覚ヘルシーファストフード「こめサン™」
手軽に食べられるご飯のファストフードといえば、おにぎりがその代表。あとは、巻き寿司やいなり寿司といったところでしょうか。この夏、(おそらく)世界で初めての新しいご飯のファストフード「こめサン™」が登場しました。今回は札幌で誕生したその新感覚メニューをひと足お先に紹介します。
札幌でオーガニックカフェとして人気の「Agt(あじと)」が、テイクアウト中心のお店として、この夏リニューアル。現在、お店を改装中です。リニューアルに際して、軸となるメニューが、この「こめサン™」。
写真を見れば分かる通り、SNS映えしそうな彩りの良い見た目。これだけでもテンションが上がります。おにぎりとは明らかに違うものですし、一時期流行した「おにぎらず」とも異なります。パンのサンドイッチのように、ご飯で具材をサンド。味は全部で10種類あり、和風、中華風、多国籍風とご飯や具材のバリエーションも豊富。ビーガンに対応したものやガツンとスパイシーなのものもあります。
この「こめサン™」の開発担当者であるスタッフの畑山梨恵さんに話を聞くと、「お米離れがどんどん進んでいる中で、ご飯の美味しさとご飯の持っている力を知ってもらいたいと思ったのが開発のきっかけでした。もっとご飯を食べたくなるような、ワクワクする新しい何かをずっと模索していました。海外では日本のおにぎり、寿司がすでに定着しています。そこで、新しく米文化を伝えられるものをと考え、美味しくて、ヘルシーで、スタイリッシュなものを追求していった結果、『こめサン™』にたどり着きました」と教えてくれました。
サンドイッチでいうパンの部分を、ご飯のシートで挟む「こめサン™」。このご飯のシートを作るため、ちょうどよい堅さになるよう水分を調整し、何度も何度もご飯を炊いたそう。シート状にするための木製の道具も畑山さんが考案し、自ら製作。「理想のサイズや形を追い求めるうちに結局作ってしまいました(笑)」。
さらに、10種類の味を作るため、試行錯誤を繰り返し、試作を重ねました。一緒に開発にあたったスタッフの金子恵さんと、「一体どれだけお米を食べたか分からないですね」と笑います。それでも、「嫌になることなく、食べ飽きなかった」と2人。つまり言い換えれば、「こめサン™」は、ご飯が何度でも食べたくなる、そんな味わいのものばかりだということなのでしょう。
お米の販売もしているAgt(あじと)。使用しているお米は、契約農家による自然栽培米など。中の具材に合わせて、ご飯に味付けしているものや黒米を用いています。
また、食材はどれも安心安全なものを厳選。自家製の味噌やソイマヨネーズ、豆乳ヨーグルトで作ったクリームチーズ、大豆ミートなど、こだわりのものを使っています。オーガニックと聞くと、薄味や物足りなさをイメージする人も多いかもしれませんが、この「こめサン™」はどれも満足度の高い仕上がり。ガッツリ食べたい男性も納得の食べ応えと味わいです。
ヘルシーな上に何度でも食べたくなる味、満足いくボリューム感、そして心がくすぐられるスタイリッシュな見た目。これはもう、「お見事!」のひと言に尽きます。お店がオープンしたら、ぜひお試しを。
「こめサン™」のほか、サイドメニューも豊富に用意。お湯を注ぐだけで美味しい味噌汁ができる自家製の味噌玉、季節の野菜を用いたポタージュ、雑穀のサラダやマリネなど、これらもこだわりの詰まったものばかり。沖縄のジーマーミ豆腐をベースに考案したというヘルシーなスイーツもあります。
店舗の2階でゆっくりイートインも可。天気が良ければ、近くの中島公園や豊平川の河川敷でピクニックがてら食べるのもおすすめ。また、札幌市内であれば会社や学校、自宅へもデリバリー対応をしてくれます。ホームパーティーに持参しても喜ばれそうですね。
ちなみに、先日のイベント時に試験的に「こめサン™」を販売し、大好評だったそう。お店のリニューアルオープンまであと少し。待ち遠しいですね。
取材・文/中村昭子