おしえて!かねごん先生 第3回「腸内環境と腸内細菌について」
Agtスタッフで、管理栄養士でもある“かねごん”先生に、体と栄養のことについて教えてもらうコーナー。3回目は、腸内環境とそこに棲む3つの細菌ついて教えてもらいました!
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編集部/前回、腸内フローラの話で終わりました。今回は、腸内フローラの話も含め、腸内環境のことと、腸に生息する細菌について教えてください。
かねごん/はい! まず、前回のおさらいもかねて、腸内フローラとは何かについてお話しましょう。
腸内フローラとは、小腸の終わりから大腸にかけて、腸壁に多様な腸内細菌が種類ごとに集まって生息している様子が、草花が群生しているお花畑のように見えることから「フローラ」(=お花畑)を付けて、そう呼ぶようになりました。腸内細菌の種類や数は、人種や年齢、食事や生活習慣によって異なるので、この腸内フローラも人によって異なります。菌の種類は平均80種類あるといわれていて、最高で150種類という人もいます。余談ですが、この菌の中には、痩せ菌とかデブ菌と表現されるものもあり、痩せ菌を体内に入れると痩せることができるというダイエットサプリもアメリカの科学雑誌ネイチャーで紹介されていました。
編集部/え?本当に痩せるの?欲しいです!
かねごん/そのあたりに関して、私は何とも…(苦笑)。
さて、その腸内フローラがバランスを取りながら腸内環境を整えているわけでして、バランスが崩れると健康にも影響を与えてしまいます。そのバランスを整えるために重要となるのが、100~1000兆個いるとされる腸内細菌です。この細菌は、私たちの体に対して良い働きと悪い働きをする菌がいます。
腸内細菌は、大きく分けて3つに分類されます。聞いたことがあると思いますが、「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」の3つです。この3つのバランスがとても大事になります。
編集部/善玉菌は、ビフィズス菌とかでしたっけ?
かねごん/そうです。代表的なのがビフィズス菌や乳酸菌と呼ばれるものです。悪玉菌の侵入を防いだり、おなかの調子を整えてくれたりします。でも、悪玉菌にもきちんと役割があるので、一概に悪玉菌をすべて排除するわけにもいかないのです。
編集部/悪玉菌も必要なの?
かねごん/はい、そうです。この20年ほどの間に急速に研究が進み、善玉菌や悪玉菌の役割についても明らかになっています。悪玉菌である大腸菌にも役割があるとされています。善玉菌の数を一定に保っていれば、この大腸菌が体に影響を与えることはありません。
悪玉菌が必要と考えられているのは、免疫細胞が体に入ってきた敵を認識して、作用するためのワクチンのような役割を担うからです。また、ビタミンを合成したり、善玉菌の乳酸菌が苦手な酵素を食べてくれるという役割もあります。
編集部/悪玉菌も必要だけど、悪玉菌があり過ぎてもダメなのよね? バランスが大事ってこと?
かねごん/そうです。悪玉菌が増えすぎると、便秘や肌荒れ、アレルギーなどの原因にもつながると言われています。悪玉菌より善玉菌が多い腸内フローラにしておくことが大事です。
編集部/ありがとうございます。では次回は、この3つの腸内細菌について詳しく教えてください。