おしえて!かねごん先生  第1回「免疫システムについて」

Agtスタッフで、管理栄養士でもある“かねごん”先生に、体と栄養のことについて教えてもらおうという新企画。1回目は、コロナウイルスの感染拡大とともに、あちこちで耳にする「免疫」という言葉や「免疫システム」について、教えてもらいました!

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編集部/さて、1回目の「おしえて!かねごん先生」ですが、早速質問です。かねごん先生、「免疫」というのはそもそもどういう意味なの?

かねごん/その語源は、「疫から免れる」といわれています。伝染病などから免れるという意味です。

 

編集部/「免疫がつく」と言うけれど、それはどういう解釈をすればいい?

かねごん/「免疫がつく」は、耐性ができるとか、抵抗力がつくということですね。特定の異物に対する防御反応ができるという感じでしょうか。たとえば、「はしか」や「水ぼうそう」に一度かかると、ほとんどの場合はもうかからないとされています。それを「免疫がついた」「免疫ができた」と言います。

編集部/人間の体には、「免疫システム」があると聞いたけれど、それはどういうもの?

かねごん/現代医学では、私たちの体は自分と自分でないものを見分け、自分ではないものを排除して、自分の体を守っていることが分かってきました。それが免疫システムです。免疫システムの細胞たちは、外から入ってきたウイルスなどが体の中にいないかを、常にパトロールしています。インフルエンザなど手ごわい相手だと、このパトロール隊のほかに、武器を持って訓練を積んだ細胞軍が出動し、ウイルスを攻撃します。こうしてウイルスや細菌から体が守られているというわけです。

編集部/細胞が武器を持って、訓練もしてるの?

かねごん/それは、イメージしやすいように例えて言っただけです(笑)。この免疫システムが、体調やストレス、生活習慣など、さまざまな原因で崩れると、免疫システム自体が正しく機能しなくなります。そうすると、自分でないものに過剰に反応したり(アレルギー反応)、自分の体に対して攻撃をしてしまう(自己免疫疾患)ということが起きやすくなってしまいます。アレルギーや自己免疫疾患は、免疫の攻撃力が上がりすぎたため引き起こされた病気ともいえます。

編集部/じゃあ、免疫力が上がりすぎてもダメっていうこと?

かねごん/極端に上がりすぎると逆効果になる場合もあります。そもそも、それぞれの異物に対してちょうどいい免疫反応が備わっていること、免疫システムが正常に機能していることが、健康な状態といえるのです。免疫力を上げるのではなく、免疫システムを整えると考えたほうがいいと思います。ですから、東洋医学でいう「中庸」、偏りのないこと、バランスが大事なのです。

編集部/なるほどねぇ。免疫力は上げればいいと思っていました。

かねごん/では、この免疫システムを司っているのは体のどこだと思いますか?

 

編集部/脳じゃないの?

かねごん/ブッブー、残念。実は…腸なのです!!

 

編集部/へぇー!! 腸なんですね。驚きました。

かねごん/免疫力の70%は腸が作り出しているといわれています。腸が、免疫における超重要な鍵なのです!

編集部/勉強になりました! では、次回は腸と免疫の話を教えてもらうことにしましょう! ありがとうございました。