おしえて!かねごん先生 第10回「なぜ春に苦い山菜を食べるといいの?」
Agtスタッフで、管理栄養士でもある“かねごん”先生に、体と栄養のことについて教えてもらうコーナー。前回は、陰陽五行の考え方をベースにした、春を健やかに迎えるための食事や食材について教えてもらいました。今回はその続きになりますが、春におすすめの食材の中でも特におすすめという山菜についてです。
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編集部/前回、春は「肝」が大事という話をしていましたよね。
かねごん/はい。春は「肝」が最もよく働く時期でもありますが、反対に「肝」が疲れをためやすい時期でもあります。季節の変わり目で、風邪をひきやすくなったりする人も多いと思います。あと、この時期は花粉症がひどくなるという人もいらっしゃると思います。風邪も花粉症も、「肝」で浄化できない老廃物を、菌の働きを借りて一挙に浄化しようとする自然治癒力の働きと考えることができます。
編集部/春先の風邪や花粉症って、自然な排毒反応と考えていいということですか?
かねごん/食養の考え方ではそういうことになります。特に花粉症はつらいと思いますが、無理に抑え込むよりもデトックスしたほうが体にとってはいいと思います。
編集部/前回、肝の働きにいい食材として、山菜や緑黄色野菜がおすすめと言っていましたよね?
かねごん/はい。緑黄色野菜や山菜は、ビタミン、ミネラルが豊富で肝の働きを良くしてくれますし、食物繊維が豊富な分、便通を良くする働きもあり、冬に溜め込んだ老廃物の排出を助けてくれます。緑黄色野菜でおすすめなのは、ホウレンソウ、小松菜、春菊、パセリなどですね。山菜は、菜の花やふきのとう、タラの芽、よもぎなど。
「春の皿には苦みを盛れ」ということわざを知っていますか? 春に苦いものを食べると体にいいよという古くからの言い伝えなのですが、栄養学などがまだないような時代から日本人はこうやって食べる物で体を整えていたのだなと分かりますよね。
編集部/なるほど! 日本人ってすごいですね(笑)。で、苦いものがどうしていいのですか?
かねごん/冬の間に脂肪や老廃物をため込んだ体を目覚めさせるために、苦いものがいいとされてきました。
編集部/苦みで目が覚めるような感覚でしょうかね?
かねごん/昔の人はそういう感覚もあったかもしれません。栄養学的に見ても、山菜の苦み成分には、細胞の疲労や老化を早める活性酸素を抑制するケンフェールや、新陳代謝を促したり、解毒作用のあるアルカロイドなどが含まれていて、デトックスに効果があります。
ちなみに、冬眠していたクマが最初に食べるのがふきのとうなのだそうです。花芽のふきのとうは、葉柄のふきに比べてカリウムが2倍、カルシウムも1.5倍と栄養価が高いですし、フキノリドという香り成分には胃腸の働きを活発にする作用もあります。
編集部/クマも本能的に分かっているのでしょうね。自然ってスゴイなぁ。
かねごん/Agtの4月のマンスリーこめサン®は、「ふきのとうクリームチーズサンド」。みなさんもクマのように(笑)、4月はふきのとうを食べてください! ご飯に用いているハト麦やトッピングのヒエといった雑穀も腸の掃除をしてくれるので、デトックスに役立ちますよ。