Agtウォールギャラリーインタビュー ひだのかな代さん
札幌在住の絵本作家・ひだのかな代さんの新作「あいにいくよ」が2020年2月4日(火)に発売となります。それを記念した原画展を2月7日(金)からAgt2階のウォールギャラリーでスタートします。今回は、ひだのさんに新作絵本についてお話を聞きました。
大好きな人のためなら頑張れる! ハリモグラの冒険
ハリモグラのモグルンが大好きなモグリンに会いにいく日。おみやげにごちそうのシロアリを持っていこうとしますが、アリ塚に着くまでにさまざまな試練がモグルンに降りかかります…。
これまでも、ネコ、ホッキョクグマ、ペンギンなど、動物が主人公の絵本を手掛けてきたひだのさん。「頭の中は常に8割動物のこと」というほど無類の動物好きです。そんなひだのさんが今回、新作「あいにいくよ」の主人公に選んだのは、ハリモグラ。おもにオーストラリアに生息しているといわれており、作品にはワニやエミューなどオーストラリアの動物たちも登場します。
新作誕生の最初のきっかけは「オランウータンの背中」
「でも、なぜハリモグラ?」の問いに、ひだのさんは「動物園のオランウータンがね、よく背中に葉っぱをつけていたの。それを見ていて、背中に針がついている動物だったら、もっといっぱいいろいろなものがついて大変だろうなと思って、そこから物語が広がっていったの」と話します。ハリモグラのほかにもハリネズミ、ヤマアラシと、背中に針を持つ動物はいますが、ハリモグラは敵に見つかると穴を掘ってもぐります。その際にも背中にいろいろなものがつくだろうと思ったそう。「調べていくうちに、視力があまりよくないと分かったので、匂いや音で近づいてきたものを察知するというのも物語としておもしろいなと思って」と振り返ります。
大好きという想いを絵本にのせて…
ページをめくるたびに、試練を乗り越えていくモグルンの背中は意図せず華やかになっていきます。でもハリモグラにとってそれは一生懸命進んできた証でもあります。好きな人に会いたいと思うのは誰もが同じ。相手を想う強い気持ちがあれば、どんな大変なことだって頑張れるものです。「最後のほうのモグルンは自分自身がプレゼントみたいでしょ? そういう姿を見せたいのはやっぱり好きな人だと思うんだよね」とひだのさん。
もうすぐバレンタイン、大好きな人へのプレゼントにもおすすめの1冊です。彼氏や彼女はもちろん、大好きな子どもや夫、家族にチョコレートと一緒に贈るのもいいかもしれませんね。普段言えないようなことも絵本を通じて伝えてはどうでしょう。
期間中はひだのさんのワークショップやイラスト販売も
「あいにいくよ」の原画展は7日(金)から26日(水)まで。11日(火・祝)には、ひだのさんと一緒にラブレターのカードを作るワークショップを、15日(土)には、同じくひだのさんとモグルンのコースターを作るワークショップを行います。期間中は、原画のほか、これまでひだのさんが描いた動物たちのイラストなども展示(一部販売も行っています)。また、昨年復刊したデビュー作「ねこがさかなをすきになったわけ」、1月に復刊した「りんごりんごろりんごろりん」をはじめ、動物たちがいきいきと描かれたこれまでのひだのさんの作品も期間中は一堂にそろいます。ぜひこの機会に足を運んでください。
ラブレターのカードのワークショップの詳細はこちら。コースター作りのワークショップの詳細はこちら。