Vol.3 玄米は、ほぼ完全な栄養食品

BL研究所所長の冨田哲秀氏は、20歳の頃から玄米を食べ続け、「食生活に軸をつくる」「姿勢に軸をつくる」「考え方に軸をつくる」の3つをコンセプトに約30年前に研究所を開設。玄米を食す「7号食」という食事法や食養相談で多くの方の慢性疾患を改善に導いてきました。玄米が体にいいというのは、近年あちこちで耳にしますよね。今回は、どうして玄米がいいのかを冨田氏が提唱する食養学の側面から紹介したいと思います。

一食の半分以上を穀物や豆に!

vol.2で紹介した内容のおさらいですが、首から下の私たちの体は自然界のものであり、頭で考えずに体の求める食べ物を与えるだけでよいと冨田氏は話します。人間の体が欲しがっている食べ物の割合は、歯の構成で表現されています。臼歯は62.5%、これは穀物や豆を食べるための歯です。つまり、穀物や豆を一食の中で半分以上食べて欲しいということなのです。これが自然界の決めた、人への捉なのです。小腸は全身の細胞の代表として食べ物の割合を欲求しています。

では、みなさんの一食の割合はいかがでしょうか。ご飯が少なくて、おかずが多いのではないでしょうか。 実はそれが、慢性疾患の呼び水になる食べ方なのです。 体の欲求どおりに食べていないのです。なぜ、体の欲求どおりに食べられないのでしょうか…。

玄米なら、おかずが少なくても体は満足

その原因の一つは白米食だからです。「粕」は逆読みすれば「白米」ですね。つまり、カスを食べているから、おかずで足りない分を補給するのです。一般的なおかずの質は、油脂類やたんぱく質が多すぎて、結果的に余分なものが多くなり、ゴミを体に溜め込むことになります。ご飯の成分で多くを占める炭水化物が体の内部で燃やされた後、ゴミとして出てくるのは、水と二酸化炭素なのです。それらは尿や汗、呼気で排泄することが簡単にできますね。ご飯はクリーンなエネルギーなのです。ですから、ご飯を少ししか食べない食事は、毎日少しずつゴミを溜め込む食事ということなのです。白米をやめて玄米にすれば、結果的にはおかずが少なくて満足できるようになります。なぜなら、玄米はほぼ完全栄養食品だからです。おかずで不足分を埋め合わせても、それでは少ししか埋め合わせできないのです。

では、マッチをイメージしてください。白米を食べることは、マッチの先端の燃やす部分を捨てて、軸だけを食べることと同じです。軸だけでは燃えませんから、燃やすための部分をおかずで補給することになるのです。しかし、玄米を食べるということは、マッチ全体を食べることです。炭水化物を燃やすにはビタミンB1が必要。マッチの燃える部分は、胚芽に含まれているのです。胚芽には微量栄養素も含めて、人の代謝が健全に営まれるための必要物質が多量に存在しています。

炊きやすく栄養代謝もいい、みどりのお米「あすなろ米」

玄米は非常に健康に役立つと周知されるようになり、玄米食に挑戦する人も増えてきました。ところが炊き方が難しい、固い、まずいということであえなく挫折される人も多いようです。ここで紹介する「みどりのお米(あすなろ米)」は、そうした従来の玄米の欠点がないばかりか、たいへんおいしいのが特徴。しかも白米と同じ炊き方ができるので、今ある白米と半々で炊くこともできます。

「みどりのお米(あすなろ米)」は早く取り入れた未熟なお米で、青い粒や小さな粒の多い玄米です。粒が小さいので、お茶碗一杯の量は通常の玄米の2倍以上を食べることになるのです。つまり、栄養の宝庫である胚芽を2倍以上食べた計算になり、栄養代謝が良くなるわけです。そのため、肥えすぎている人はスリムになります。特にバランスの良い繊維が多く、そのおかげで腸の蠕動(ぜんどう)運動が盛んになり、おなかも温まり、おなかから痩せてくるのです。腸は7メートルもあり、運動をしたがっているのです。いっせいに蠕動運動が起きるだけで余剰カロリーを消費でき、代謝が高まります。

この玄米をしっかり食べて、おかずを増やさない食生活を確立すれば、体も整うようになっていくでしょう。見た目は良くないですが、素晴らしいお米です。

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