おしえて!かねごん先生 第4回「善玉菌、悪玉菌、日和見菌」

Agtスタッフで、管理栄養士でもある“かねごん”先生に、体と栄養のことについて教えてもらうコーナー。4回目は、腸内細菌である「善玉菌、悪玉菌、日和見菌」について詳しく教えてもらいました!

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編集部/前回、3つの腸内細菌の話で終わりました。今回はこの3つの腸内細菌「善玉菌、悪玉菌、日和見菌」について詳しく教えてください!

かねごん/はい! ではまず、善玉菌から説明しましょう。善玉菌は、健康維持や老化防止に欠かせないもので、代表的なのが、ビフィズス菌、乳酸菌、納豆菌、酵母菌、麹菌などです。

編集部/よく耳にする菌の名前がいっぱいですね。

かねごん/次に悪玉菌ですが、これは体に悪い影響を及ぼすとされています。代表的なのが、有毒株があるウェルシュ菌、ブドウ菌になります。これらは、腸内腐敗、最近毒素の発生、発がん物質の産生、ガスの発生など、体に好ましくない作用を引き起こしたり、生活習慣病の引き金になったりします。

編集部/もう一つの日和見菌とは?

かねごん/日和見菌は、バクテロイデス、大腸菌(無毒株)、連鎖球菌などが代表的なもので、腸内環境のパワーバランスによって質が変わります。善玉菌、悪玉菌の優位に立つほうに加担するというものです。

編集部/なんか、イソップ物語のコウモリみたい。

かねごん/(笑)。普段は善玉菌の味方なのですが、体調が悪くなると悪玉菌の仲間になってしまうのです。

編集部/前回、悪玉菌も必要ということでしたが、3つの腸内細菌のベストバランスはあるのですか?

かねごん/善玉菌2割、日和見菌7割、悪玉菌1割ですね。

編集部/意外と善玉菌が少なくて、悪玉も1割必要なのですね。

かねごん/腸内細菌は種類が多く、その研究の歴史はまだ浅いのが実状です。この20年ほどの間で、急速に研究が進み善玉菌や悪玉菌について明らかになっています。悪玉である大腸菌にもきちんと役割があり、善玉菌を一定の数に保っていれば悪さもしないことが今は分かっています。

なぜ悪玉菌が必要かというと、免疫細胞が事前学習をし、体の敵と認識して作用するために必要といわれています。つまり、ワクチンのような役割があるというわけです。他にも体が必要なビタミンを合成していたり、善玉菌である乳酸菌が苦手とする酸素を食べてくれるので、乳酸菌は腸内に棲むことができるのです。

編集部/なるほど。つまりバランスが大事ということですね。

かねごん/そうですね。善玉菌が優位になっていると、美肌効果、消化吸収の補助、免疫アップなどが期待できます。逆に、悪玉菌が優位だと、便秘や下痢、肌荒れ、アレルギー、慢性的な体の不調など、悪影響を引き起こしてしまいます。

編集部/善玉菌を優位にしておくために必要なことってどんなことですか?

かねごん/腸内環境を良くすることで善玉菌が元気になります。バランスの良い食生活、自律神経を整えるための休息やリフレッシュ、十分な睡眠などが大切ですね。あとは、外から物理的な刺激を与えることで腸が活発に動き出すので、適度な運動も大事です。

特に食事に関しては、善玉菌のエサとなるものを取り入れることで、より効果が期待できます。納豆や味噌、しょうゆ、酢などの発酵食品、タマネギやゴボウ、ネギ、ニンニク、大豆などに含まれているオリゴ糖が、善玉菌の好物なので日々の食事に意識して取り入れるのがおすすめです。

日本人はかつて、野菜や穀物中心の食生活を送っていました。実は、この食生活は善玉菌にとって、腸内環境を整えるのにベストでした。現在は、肉類中心の食生活になり、悪玉菌が好む脂質や動物性たんぱく質を多く摂取するようになったため、健康な腸内フローラを保ちにくくなっています。

編集部/この4回で、腸の役割や腸内環境について詳しくなりました! ありがとうございます。